ヒートマップの基本を説明。メリットや注意点について解説します!

ヒートマップという言葉を聞かれたことはありますか?
もともと、温度の色の濃淡等で温度差を示すサーモグラフィーのような図を指す言葉ですが、Webマーケにおいてもヒートマップは重要な役割を持ちます。
Webマーケティングにおけるヒートマップとは、Webサイトの「どのあたりが読まれ、どこがクリックされているか」を視覚的に表すことができるツールです。
この記事では、ヒートマップの特徴及びメリットについて紹介していきます。

ヒートマップのメリット

ヒートマップはサイトのどのあたりがユーザーから見られているか、どこがクリックされているかを視覚的に表すツールになります。ここでは、ヒートマップを活用するメリットについて紹介します。

ユーザーの動きがよくわかる

最大のメリットはなんといってもサイトを閲覧しているユーザーの実際の動線がよくわかるということです。
例えば、ものすごく閲覧数の多いページがあったとしても最後まで読まれているのか、それとも冒頭部分の情報のみをユーザーが必要としているのかは通常わかりません。
しかし、ヒートマップを活用することで、ユーザーのマウスの動きがわかります。マウスの動きというのは、ある程度、ユーザー自身の目の動きに連動しているため、ヒートマップで見ることによって、ユーザーがページのどのあたりに関心があるのかが、一目瞭然となります。

また、ツールの機能によっては1人のユーザーの動きに着目して、トラッキング(追跡すること)を行うこともできます。
ユーザーの実際の動きを知ることができるため、非常に良い情報が手に入ります。
また、複数のユーザーに同じ動きがあるようであれば、ユーザー心理を推測しやすくなるため、サイトの改善につながる可能性が高いです。

ユーザーがクリックした場所がわかる

ヒートマップでわかるのは、マウスの動きだけではありません。
ユーザーがページのどのあたりをクリックしているのかもわかります。
リンクが貼ってある部分であれば、サイト分析によってどのくらいリンクがクリックされているか、わかりますが通常どこをクリックしているかはわかりません。
なぜ、クリック情報が有益な情報なのかというと、ユーザーがクリックしている場所は、ユーザーがもっと情報を欲しいと思っている箇所です。
例えば、お店の商品説明のページで、商品画像が多くクリックされている場合は、現在掲載している商品画像以外の角度から撮った写真などを求めている場合があります。
このように、ユーザーがクリックしている場所を知ることで、よりユーザーの思考(行動)に迫る分析ができます。

ページのスクロール率がわかる

ユーザーがそのページをどのくらいの位置まで、スクロールしているのかもわかります。
通常、商品の説明が載っているページは縦長である物が多いですが、ユーザーがそのページをどこまで見ているか(スクロールしているか)を知ることによって、行動分析することができます。
例えば、ページの最下部まで行かずにユーザーが離脱しているのであれば、ユーザーにとって必要な情報が上部に存在しているか、もしくは興味のないページである可能性が考えられます。
このように、ユーザーの興味がどこにあるのかを知ることによって、商品ページの改良に役立てることができます。

ユーザーが離脱した場所がわかる

お問い合わせフォームや商品の購入ページであれば、ユーザーにとって使いやすいページであることが前提となります。
つまり、ユーザーにとって使いにくい場所や答えにくい設問が一目瞭然となります。
ECサイトなどでは、多くの情報を入力する必要があるため、ユーザーにとって使いにくいということは致命的になりかねません。
自社の商品購入ページがある場合、改善に役立てることができます。また、ユーザーの利用効率を高めることは、サイト全体に良い影響(検索で上位に表示されるなど)を与える可能性もあります。

A/Bテストに有効

マーケティングの世界では、A/Bテストという検証をよく行います。
これは、文章(セールスライティング)の違いや異なる画像のどちらが有効かを検証するため2パターンのページを作成する方法です。
ヒートマップで分析を行うと、どちらの画像の方が注目を集めているか、クリック数が多いかなどの情報が手に入ります。
これにより、より効率よくA/Bテストを行うことができます。

ギャップを知ることができる

サイトの制作者は、基本的にユーザー心理に基づいてサイト作成を行います。そのため、ユーザーにクリックをさせるためのサイト構成を考えているといっても過言ではありません。
例えば、制作者が「ここをクリックして欲しい」と思って配置した画像よりもなんとなく配置した画像の方をユーザーが多くクリックしていたのであれば、制作者の意図とは異なる結果となっているということです。
このようなギャップを知ることができることは、かなりありがたいです。
通常のアクセス解析であれば、ユーザーのアクセス数のみの情報となるため、実際は効果がなかった取り組みに対して、効果を見出してしまう場合があります。

導入しやすい

アクセス解析同様に、サイトの各ページにタグを設置するだけでヒートマップの情報を収集することができます。
また、ツールは有料・無料共に存在するため、敷居はかなり低いです。
ヒートマップがどんなものか試してみたいと思われたのであれば、一度無料ツールにて解析を試してみるのが良いです。

ヒートマップのデメリット

ヒートマップにはデメリットもあるため、導入前に確認しておくことをおすすめします。ここでは、単体での活用や分析面でのデメリットをご紹介します。

ヒートマップ単体での活用は難しい

ヒートマップはユーザーの動きが分かりますが、反面、それ単体での活用は難しいと言えます。例えば、ヒートマップで下までスクロールされていないページであった場合、そのページのアクセス数が他のページと比較して少ないのであれば、「情報量が薄い」と判断することができます。
つまり、ヒートマップはアクセス解析などと組み合わせることで効果を発揮するツールであるということです。
それ単体では、分析をしたとしても適切な判断を行うことが難しいです。

分析がやや難しい

よくクリックされている部分がわかったとしても、なぜその箇所がクリックされているのか理由を突き詰めることは非常に難しいです。
ヒートマップは単純にクリック数が多いという情報しかないため、効果的にA/Bテストを実践しなければ、なぜクリック数が増加しているのかを判断することはできません。
そのため、分析をする際は注意が必要で、クリック数が多い場合ユーザーの心理を慎重に推測する必要があります。

ヒートマップが必要な理由

上記の通り、ヒートマップは便利な反面、分析には注意が必要になります。それでも、ユーザーがサイトのどこに注目して、どこをクリックしているかという情報は、通常のアクセス解析では得ることのできない貴重な情報です。
最近では、ユーザーに狙った動きをしてもらうためのサイト(商品を効率よく売るため)を作る傾向があるため、今後もヒートマップはWebサイト制作において非常に重要なツールであると言えます。

導入に対する敷居も低く無料版も存在するため、Webサイトを運営する際には、とても重要なマーケティング活動になると考えられます。